美しさと芸に人生を賭けた男の、
半世紀にわたる一代記。
1964年元旦、長崎の老舗料亭「花丸」。侠客たちの怒号が飛び交う新年会の夜に、のちに「この国の宝」と呼ばれる役者が生まれます。任侠の一門に生まれた少年・立花喜久雄。この世のものとは思えない美貌は、周囲の人々を巻き込みながら、彼の人生を思わぬ場所へと連れ出していきます。
やがて喜久雄は、歌舞伎の名門の家で、同い年の御曹司・俊介とともに芸を磨く日々へ。「血筋」を持つ者と「才能」で挑む者、二人の若き役者が、長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へと、時代の移り変わりを背景に歩んでいきます。
朝日新聞に連載された、著者の作家生活20周年を飾る長編で、読みどころは、歌舞伎の稽古や舞台の迫力、そして講談や朝ドラの語り部のように物語を運んでいく独特の語り口だと言われています。上下合わせて800ページ超の大作ですが、連載時は毎日少しずつ読まれていたため、大河ドラマのように腰を据えて追える一冊です。結末はぜひ本編でご確認ください。
語り手が講談か漫談のように語りかけてくれるので、上下巻を通して楽しい雰囲気に包まれて読めました。シリアスな場面もしっかり読みごたえがあります。歌舞伎に馴染みのなかった私にも勉強になり、興味を持つきっかけになりました。
出典:Amazonカスタマーレビュー(上巻・5点)/ミステリーナビ掲載息継ぎなしで一気に読んでしまいました。読むうちに顔が本にどんどん近づいて、自分が見得を切っているような姿になっていたと思います。喜久雄、俊介、徳次を追いながら、歯がゆさも悔しさも、等身大の自分で受け止めていた気がします。
出典:honto電子書籍ストア「みんなのレビュー」(星5)/honto全体の平均は4.5(19件)総合評価で満点をつけたくなった、私にとって初めての小説です。映画を観て残ったモヤモヤが小説で晴れ、作品の凄さをより味わい尽くせました。ラストシーンも衝撃的で美しいと感じました。
出典:個人書評ブログ「がまぐちの知識袋」(note)/ブログ筆者の自己評価 5.0長崎の花柳界のにぎわいから始まるので、すっと物語に入れました。歌舞伎など伝統芸能が中心かと思いきや、ヤクザの抗争や人間の闇と光も描かれ、壮大なドラマです。ただ、あちこちに話が流れて中だるみも感じました。下巻に期待です。
出典:紀伊國屋書店ウェブストア掲載レビュー(読書メーター経由・上巻)2019年3月投稿私にはハマりませんでした。講談のような口調で一文が長く、主語と述語の対応がわかりにくいです。事件が次々に起きますが、本筋と関係の薄いエピソードや登場人物が多く感じ、もっとスリムにしてほしかったです。歌舞伎の用語にも馴染みがなく、何を描いているのか分からない場面がありました。
出典:Amazonカスタマーレビュー(下巻・1点)/ミステリーナビ掲載※全体では高評価が圧倒的です(Amazon平均4.61・683件、楽天ブックス平均4.48・688件/ミステリーナビ集計、ブクログ〈下巻〉平均4.44・1363件)。低評価は少数派のため、実際にあった中で最も厳しい声を選んで掲載しました。
吉田 修一(よしだ しゅういち)
1968年9月14日、長崎市生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年「最後の息子」で文學界新人賞を受賞しデビュー。2002年に『パレード』で山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で芥川賞を同時に受賞し、純文学と大衆小説の両方で評価されたことで話題になりました。2016年からは芥川賞の選考委員も務めています。代表作に『悪人』『横道世之介』『怒り』など。
| 著者 | 吉田 修一 |
| 出版社 | 朝日新聞出版 |
| 初出 | 朝日新聞 2017年1月1日〜2018年5月29日連載(単行本化にあたり加筆修正) |
| 単行本 | 2018年9月発売/上巻 B6判 351ページ(ISBN 978-4-02-251565-0) 下巻の詳細は未確認のため省略 |
| 文庫版 | 朝日文庫 2021年9月発売(各880円・税込) 上巻 青春篇:407ページ/ISBN 978-4-02-265008-5 下巻 花道篇:431〜432ページ/ISBN 978-4-02-265009-2 |
| 映像化など | 2025年6月6日 映画公開(監督:李相日、主演:吉沢亮)。実写邦画の歴代興行収入1位になったと報じられています。漫画版(作画:三国史明、小学館)もあります。 |
| 累計部数 | 200万部超と報じられています(2025年10月時点の記事) |